宇佐美恵子さん こんにちは麺接隊が行く

ファッションコーディネーター・エッセイスト
宇佐美恵子さん

女性として、人間として幸せに生きるために

モデルからファッションコーディネーターへ転身し、現在、テレビ、雑誌、 エッセイの執筆など多彩に活躍する宇佐美恵子さん。働く女性として のスタイリッシュな側面だけでなく、趣味では山登り、スキー、釣りなど アウトドア派の側面もある活動的な女性です。「諦めては駄目。挑戦し 続けること」が大切と言います。女性として、人間として幸せに生きるためのヒントをうかがいました。

PROFILE ●うさみ・けいこ
1974年、大学在学中にモデルにスカウトされ、資生堂のポスターでデビュー。トップモデルとしてシャネル、フェンディなどのショーに出演。76年、自動車メーカー・マツダの専属モデルになり、話題を呼ぶ。87年、ファッションコーディネーターに転身。93年「オフィス・ウサミ」設立。 テレビ、雑誌、ファッションショーの司会、講演、カルチャースクールなどの講師として活躍。ワインの造詣が深く、04年にソムリエ・ドヌール就任。 著書は『トップモデルが明かす“いい女”になる33のヒント』(三笠書房)


モデルから転身、価値観変える

――モデルとしてデビューされました。
宇佐美 1 9 7 0 年代には、モデルと してトップで活躍できるのは 20 代前半 まで。私は 20 歳を過ぎてからモデルに なったので、「短い命かな」と思って いました。 20 代中頃に出演したマツダ 「コスモ」のC M で人気は頂点に達し ましたが、 20 代後半になると、もうモ デルとしてやるべきことはないと感じ ていました。でも、次に何ができるの か。モデルは潰しのきかない職業なん ですね。また現在と違ってギャラも破 格で、1 日のギャラは当時の初任給と 同じくらい。金銭的な価値観だけで人 生を考えたら何もできない。自分の価 値観から変えていかなければいけませ んでした。

――かなり大変なことです。
宇佐美 そのなかで、ファッションコ ーディネーターという道が見えてきた んです。幸いにも、カルチャースクー ルの講師としてモデル時代の経験をお 話ししたり、雑誌に着こなしのテクニ ックや1 週間の着こなしアイテム、1 着の洋服を幾通りにも着こなす方法な どを提案させていただけるようになり ました。そういう情報は今、雑誌では 普通ですが、その先駆ですね。教える ことの楽しさもありましたし、教えら れることもいっぱいあって、その積み 重ねが今の自分を支えています。

普通のことが「幸せ」です。

――宇佐美さんは「クロワッサン世代」。働く女性が社会進出した世代です。
宇佐美  働く女性として歩んでいこう とは思っていませんでした。ただ、仕事は好きですね。気がついたら、仕事人間になっていました。でも 20代の頃 はよく遊びましたね。モデルの仕事は肉体労働でもあります。朝は早いし、 真冬にドレス1 枚の撮影があったり、 真夏の炎天下で毛皮の撮影があったり。 ファッションショーも1 日に4 回やると、かなりハードなんです。その分、ストレス解消に遊んだという感じ。 20代が「遊びの時期」とすれば、 30代が 「悩みの時期」。 40代は「仕事の時期」 でしょうか。 50代に入ってからは、仕事はがんばりますが、もう少し余裕を もちたいなと思っています。

――食生活にも気を使うでしょう。
宇佐美 年齢的にも、一日三食をすべ てしっかり摂ると太ってしまう。でも朝食を抜くと、午後に体が疲れてしま うから、しっかり摂る。お昼は、忙しい時間帯でもあるので、麺類だとうれしい。そばは私自身、大好きですし、理想的ですね。休日には、誰かとおそば屋さんで、小瓶のビールを半分づついただいて、小柱などをつまんでから、 かけそばを食べ、お汁粉でしめる。こ のパターンが気に入っています。

――ワインがお好きだとか。
宇佐美  シャンパーニュを愛でるため のパーティを年 1 回開いているのです が、そんな活動も認められてか、今年 「ソムリエ・ドヌール」の称号をいた だきました。夜はおいしいワインで、 ちょっとつまみをいただく。これが、 私の一日の区切りとしては幸せな形。

――宇佐美さんにとって幸せとは。
宇佐美  特別なことではなく、普通の ことを幸せと感じられることが幸せな んじゃないかな。空が青いなとか、庭 の花がきれいに咲いたとか。四季折々 を感じられることが、私にはとても幸 せなこと。地元の鎌倉散歩も好きです ね。1時間でも近くの神社仏閣の庭を散歩していると、ストレスや疲れが自然のなかに吸い取られていく感じがす る。都会で買い物をするよりも、何十倍も効果がありますよ。

――”物 “ばかりが幸 せの基準ではない。
宇佐美  私にとって、 ”物の時代 “は 20 代までのこと。まだ日本人 が ”ラグジュアリー “という言葉の意味も知ら なかった高度成長の時代に、ラグジュアリーなファッションを仕事で着てきたこともあっ て、ラグジュアリーは 20代の頃に消化してし まった。同世代の人たちは、30代、40代になってラグジュアリーに目を向けていましたが、 私はもっと普通のことが新鮮で、幸せだと感じるようになったんです。

「もう」は止めましょう

――宇佐美さんといえば、やはりファ ッションが気になります。
宇佐美  普段はシンプルですね。ファ ッションは「足し算と引き算」。着けすぎてもいけないし、かといって〈ク ロワッサンおばさん〉みたいに、あまりにナチュラルでシンプルすぎるのも、 ちょっと違うかな。年齢を重ねるごとに、シンプルでも、ほどよく本物を身に着けることで大人の女を演出するこ とに気を配っています。シンプルに装いながら、いかに自分を目立たせるかが大切 。

――そのためのポイントは。
宇佐美 やはり、姿勢。外国の人に「チ ャイニーズかジャパニーズか国籍は分からなくても、足の形が悪くて、歩き方がきたないのが日本人」と言われたことがあります。今の若い女性たちは、 足は長くなったのに、上半身の姿勢が悪いんですね。だから下半身の姿勢も歪んでしまう。家で姿勢の躾を受けていないこと、ウォーキングの指導を受 けていないことが原因です。 もう一つ、問題だと思うのは、歯並び。 モデルスクールで 10 代後半の女性たちを指導しているのですが、 10人中9人 は歯並びが悪い。やわらかいものばか り食べるようになって、 顎が正常に発達せず、乱杭歯になっている人が多 いんですね。口の中の構造が悪いから、そばもつるつるって啜れない。噛んで押し込んでいる。

――最後に、読者にメッ セージを。
宇佐美  よく同世代の人 たちに話すのは「諦めて は駄目」ということ。「も う歳だから」「もう子供 が 20 歳になったから」と いうような、「もう」は止めましょう と。自分にも、そう言い聞かせてい ま す。 50歳でテニスを始めたのですが、 動体視力の低下を実感しました。ボー ルが見えて、打ち返せるようになったのは最近のこと( 笑) 。自分が衰えてくることを認めて、そこから何かを始めることが大切と、私は思います。


著書『トップモデルが明かす ”いい女 “に なる 33 のヒント』( 三笠書房)
は今年、文庫化。 11刷のロングセラー


 

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