茂野麺紀行 第65回
そばカフェ かやの木(茨城県守谷市)

 
▲守谷市の郊外を流れる鬼怒川。
守谷市は利根川を間に挟んで千葉県と接する茨城県の南部の都市。最近、つくばエキスプレスの開業で、徐々に住宅や商業施設が発達してきた。とはいえ、田園風景の広がる静かな街。この守谷市には「鬼怒川 竹やぶ」というそばの有名店がある。私は知人から同店のそばがたいへん美味しかったということをお聞きしていたので、以前から同店へ行ってみたいと思っていた。そして今回、守谷市に隣接するつくばみらい市というところに仕事の用事が出来た為、千載一遇のこの機会に行ってみることにした。実はこの日、スケジュール的にやや余裕があったので、幕張から自転車で行くことにした。

ところが、日頃の不摂生もあったり、また仕事も予定より遅れた為に、同店の営業時間内に到着することが出来なかった。正確に言えば、ラストオーダーの時刻16時半よりも約10分遅かった。木戸は硬く閉まっていた。出発時刻もやや出遅れたのもあった。距離に対しての体力をやや甘く考えていた。大きなショックである。

この「茂野麺紀行」は行き当たりばったりというのもひとつの売りにしているものの、ネットや口コミである程度評判を聞いて訪問するほうが遥かにいい店と出会う確率が高いので、最近はその方向で考えている。中には評判とは裏腹に私好みではなかった店も多いし、今回のように諸事情でせっかく行ったのに営業していなかったというケースもあることはある。でも、同店(鬼怒川 竹やぶ)についてはかなり以前からずっと気になっていた店だったので、諦めが悪い。かなり気落ちしてしまった。もちろん、遠くから自転車でやってきたというのもある。

 
▲屋敷の入り口。ここから広い庭に入る。


▲これが、かやの木。とてつもなく大きい。


▲そばは丁寧に打っているな、という感じ。
失意の中で同店の裏手を滔々と流れる鬼怒川を暫く眺めて、そして帰途に就く。然しながらせっかく遠くまで来たのだからと守谷市の市街地へ足を延ばしてみる。そばでなくとも、守谷名物の食べ物屋さんがあれば寄ってみたい。土地勘が無いので、適当に走っていたら、大きな山門のあるお屋敷があった。まるで寺院のようでもある。黒塀に囲まれ、門の向こうには広い庭があり、手入れの行き届いた植木があり、そしてその向こうに大きな母屋が見える。門、すなわち入口には「そばカフェ『かやの木』」と書いてあり、メニューが出ている。「せいろ 700円」。

有難い。ここでそばを食べて行こう。こんな素晴らしいお屋敷の中でそばが食べられるなんて、想定外。先ほどまで落ち込んでたのがウソのように嬉しくなってきた。門を入ったところに自転車を置いて、庭を歩いた。外から見たときよりも広い。母屋へやや右斜めに歩き大きな木(これが店名になっているかやの木)のところを奥に入ると店に着く。奥まったところだし、夕刻ということもあって、ぼんやりと裸電球の灯りが漏れていて、幻想的な雰囲気である。

店内は現代的にアレンジはしてあるものの、しかし、元々の雰囲気も大事にしているので、アンティークでかつ重厚である。厚みもあって立派な一枚板のテーブルに向かってシンプルな木の椅子に腰を下ろす。店員さんは暖かく迎えてくれた。中途半端な時刻だったのか、先客は誰もいなかった。もちろんそばを注文する。時間がかかる旨を聞いて、その間、周辺を眺めたり、ちょっと庭を歩いたりした。多少待ってもここは全然苦にならない。それどころか、ここにずっと居たくなってしまう。

待つこと20分。注文したせいろ(ざるそば)が出来た。一番上の写真にあるように、黒っぽいテーブルの上に黒いトレイに載せられたそばは見た目も瑞々しく美味しそうである。時に薬味が青竹の器に入っていて、それが清涼感を更に引き立てている。まずは、つゆをつけずにひと口そばを食べてみた。冷たくしゃきっとした食感がたまらない。やや弾力があり、そしてのど越しもいい。うん、間違いなく美味しい。この素晴らしい雰囲気の中で食べるということもあるのかもしれないが、非常に美味しいそばである。今度はやや甘めのつゆで頂く。美味しい。上品な味だ。そば湯も美味しく頂いた。

後で(帰宅してから)分かったことに、この店、そばは前日までに予約しなければならないという。それでは私はどうして食べられたのだろうか。他にお客さんがいなかったからか。いずれにしてもラッキーである。しかし、次回は是非予約してから行きたい。遠くても、予約する面倒も、あの素晴らしい雰囲気の中で、そして美味しいそばが食べられるのは苦にはならない。同店では時々ジャズのライブ等のイベントもあるらしい。

2012.5.29 Zaki




左:母屋。この一番右側の奥が店舗となっている。
右:店舗の入口。おそらく勝手口というか、元々は厨房だったのかも。

左: かやの木の根元。かなり太い。江戸時代からのものなんだろうか。
中: 屋外にも椅子やテーブルがあるので、ここでもコーヒーなどが楽しめる?
右: お酒・・・、と言いたいところだけど、自転車で来ているので、お茶。でも、この雰囲気の中でのお茶はかなり美味しいですよ。


そばカフェ 「かやの木」
茨城県守谷市高野1440
TEL: 0297-48-0307

[営業時間]
11:00〜20:00

[火曜日 定休]


http://hwm7.gyao.ne.jp/komari9698/

せいろ(そば)
700円
とろろそば 1,000円
天せいろ(そば) 1,200円
コーヒー 500円
あんみつ 600円
ケーキセット 800円


STAFF---撮影:Zaki  WEB制作:柴崎隆@BAY DREAM FACTORY



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茂野麺紀行の情報(例えば価格など)は旅行者(記者)が現地を訪れた時点のものです。
また、味などの感想についてはあくまでも旅行者の主観によるものです。
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