渡良瀬川を訪ねて / 茂野麺紀行
第47回 「一茶庵 本店」(栃木県足利市)

5月の最後の日曜日、私は、趣味で活動をしているポップスバンドのメンバー(私のパートはキーボードです)と栃木県足利市の渡良瀬川を訪ねる小旅行へ出かけました。歌手の森高千里さんの「渡良瀬橋」という曲をレパートリーにしていることもあり、みんなで渡良瀬川に行ってみよう、ということになったのです。歌詞に「電車に 揺られ この街まで」とあるように、私達はJRと東武電車を乗り継いで行きました。特急列車を利用するともっと短時間で行けるのですが、今回はのんびりと3時間の普通列車の旅です。

昼の12時を回った頃、ようやく足利駅に到着しました。駅に降り立つと、空気がとても美味しくて何度も深呼吸しました。ずっと見に行きたいと思っていた渡良瀬川が、すぐ近くを流れているかと思うと自然とテンションが上がりました。道すがら、懐かしい風情の民家やお店もあちらこちらで目に入ります。写真を撮りながら寄り道をして歩いていると、それだけで満足してしまうぐらい楽しい遠足です。10分程歩いたでしょうか。そこには緑がいっぱいに広がる河原と、美しい水をたくわえ、ゆったりと流れる渡良瀬川がありました。感動的な瞬間でした。私達は渡良瀬川の河原に降りて、しばらくの間その雄大な景色を眺めました。そして次の目的地、手打ちそばの店「足利一茶庵」へ向かったのでした。

「一茶庵」は大正15年創業の老舗の手打ちそばの店です。建築文化賞を受賞したその建物は、瓦屋根の落ち着いた素晴らしい店構えでした。創業者の故片岡康雄氏についてホームページで少し読ませていただきました。幼少の頃からお母様をまねてそばを打ち始め、「そば打ち名人」と言われていました。そして時代に翻弄されながらも、足利の地に開業し、今ではその伝統を受け継いで日本中から愛されるそば屋になりました。ホームページでは、足利市出身の書家、故相田みつを氏作の「一茶庵」の文字を見ることが出来ます。

私達は窓越しに庭園が見渡せるテーブルに座りました。随分歩いたせいか皆お腹がペコペコです。スタッフは「更科そば」の大盛り、そして私は「田舎そば」(一番上の写真)の大盛りを注文しました。程なくしてそのそばが出てきました。蒸籠に上品に盛られたそばを、やや濃い口のつゆにつけて、つるつるっと食べました。太めのそばは、しっかりとこしがあって、鰹のおだしが効いたつゆとの相性も抜群です。あまりの美味しさにスタッフも私も、話をするのも忘れあっという間に食べてしまいました。

そば湯をたっぷりいただいて落ち着いたところで、私達は居心地の良い一茶庵を後にしました。足利市は、足利氏ゆかりの地として有名です。一茶庵のすぐ近くには、室町時代に関東の最高学府と言われた足利学校跡があります。今でも美しく剪定された植え込みやお堀の横を歩くと、その時代の人々の顔や街の賑わいが見えてくるような気がしました。

私達は足利市の小さな名所をたくさんめぐり、大人の遠足気分で初夏を満喫しました。雄大な自然の中に商店街や日本家屋も点在するこの歴史のある街は、梅や桜、紅葉、雪景色など季節によっても違った表情が楽しめます。私はいつか、蝉の鳴く暑い夏に、もう一度訪れてみたいと思います。

2010.6.3 ケイ・MIZ


左: 立派な一茶庵の入り口。駐車場も充実している。外観、内装などには古さは感じられない。
中: 手入れの行き届いた中庭がある。情緒たっぷり。
右: 同行スタッフが注文した更科そば。白く透き通っている。まるで「そうめん」のようだ。

左: 落ち着いた足利の町並み。所々、電線が埋設されている。
それにしても、あまり歩いている人を見かけない。観光客も少なめだった。
中: 足利氏邸跡に建つ寺院。周囲を堀で囲まれ、静かな佇まい。有名な足利学校に隣接している。
右: 森高千里作詞の「渡良瀬橋」に出てくる八雲神社。市内に同名の神社はいくつかあるが、足利公園にあるここだという説が妥当。ここから北に約1キロメートルのところに、やはり歌詞に出てくる床屋さんと公衆電話がある。


手打ちそば 一茶庵本店
栃木県足利市柳原町862-11
TEL:0284-40-3188
FAX:0284-40-3189

- ホームページ -


せいろ(もりそば) 700円
さらしな(もりそば) 700円
田舎そば(もりそば) 700円
天ぷらそば 1,350円
かも南蛮 1,450円

JR両毛線・足利駅からおよそ1km。駐車場あり。


筆者紹介

名前:ケイ・MIZ/職業:主婦/特技:ピアノ、イラスト、写真
好きなもの:ラーメンやうどんなど麺類全般、赤ワイン
主婦の傍ら、趣味の音楽活動がライフワーク。ボランティアで公共施設などで公演する。最近は、音楽に加えて、イラストや文筆の仕事も始める。更に先日新しいカメラを買ったので、取材意欲に満ち溢れている。


STAFF---撮影:ケイ  WEB制作:柴崎隆@ベイタウン・はっぴーもーる



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