茂野「麺紀行」
第41回 高尾山のとろろそば「高橋家」(東京都八王子市)

薬王院・浄心門。両脇に灯篭が立ち並んだ長い参道を経て薬王院の四天王門、そして本堂へ向かう。

景信山の山頂。売店があり、椅子やテーブルがたくさん並んでいる。紅葉は3分といったところか。
高尾山の「とろろそば」は非常に知名度が高い。山ろく(京王線高尾山口駅周辺)にはたくさんのそば屋があり、1月から3月にかけて「高尾山の冬そばキャンペーン」が開催されるということだ。高尾山は昨年にミシュランのガイドブックに観光地として掲載される。そのお陰で、より多くの観光客が訪れるようになった。

私が訪れたのは10月の中旬。秋とは思えない暑いくらいの陽気だった。混んでいる休日を避け、仕事を調整しなんとか平日に休みを取り出かけた。早朝、新宿から通勤電車とはまったく反対の電車に乗るのは気持ちがいい。370円、約50分で終点の高尾山口に到着する。特急は割合頻繁に出ている。駅頭にはこれから高尾山に登るハイカーや、薬王院に参拝する観光客で賑わっていた。

高尾山への登山口は駅から案内川沿いの比較的平たんな道を約5分ほど行く。みやげ物屋、そば屋が立ち並ぶ賑やかな場所だ。そこから高尾山への良く整備された登山道がいくつもある。だいたい1時間半もあれば頂上に立つことが出来る。足腰に自信の無い方は、ケーブルカーもある。私は薬王院を観て、高尾山の先の城山や、あわよくば景信山まで往復し下山した後に「とろろそば」を食べるという欲張りな行程だったので時間節約のために登りはケーブルカーを利用した。

ケーブルカーを降り樹齢450年の”たこ杉”に代表される巨大な杉木立の参道を歩き薬王院へ。とても立派なお寺だ。実は私は何度もこの地を訪れているが、いつも登山が目的だったので、薬王院は足早に通り過ぎている。今回はゆっくり観て回った。見所満載の立派なお寺だ。薬王院だけを目的にしても高尾山は十分素晴らしい観光地である。

*薬王院を通過せずに景観を楽しみたい場合には稲荷山コース。沢歩きを楽しみたい場合には琵琶滝コースを歩くのも趣があります。
参照:高尾山公式ページ

薬王院をたっぷり観て、それからひと登りで高尾山山頂に達する。それでもまだ10時だった。そこから少し歩いた景色の良い”もみじ平”で休憩を取る。富士山の見える名所だが、生憎気温が高かったせいで霞んでいてまったく見えなかった。それでも丹沢の山々が一望でき気持ちが良い。

もみじ平を過ぎると、(小仏)城山へ続く縦走路はどんどん高度を下げてゆく。再び登り直さないとならないと城山には達しない。しかし、汗はかいたもののそれほど苦も無く(小仏)城山に到着する。そこで昼食。おにぎりとなめこ汁を売店で買って食べる。たくさんの人達がお弁当を広げていた。中にはくさむらで横になっている人もいた。

* 高尾山頂、(小仏)城山の売店はだいたい通年営業しているようですが、景信山は期間によって、あるいは平日は閉店しているのでご注意してください。


景信山まで往復し、再び高尾から琵琶滝コースで下山する。さすがにたくさん歩いたので、足腰にそれなりの疲労を感じる。たっぷり汗をかき、喉がからからになる。まずはビールだ。飛び込んだ店は、ケーブルカーの駅の真正面にある高橋家という老舗。店構えも感じが良いし、店内も雰囲気がある。ユニークなのは、樹齢150年と言われる柿の木が店内から屋根を突き破り天空に延びている。もちろん、柿の木に配慮しながら店が後に建てられたのだ。

柿の木が店の中から延びているのがユニークな高橋家の外観。ケーブルカー正面なので目立つ。
シンプルだが、建物にも周辺にもマッチしている暖簾。
行燈(あんどん)の暗すぎず明るすぎずの照明と、ウッディーな雰囲気が素晴らしい。

山歩きを一日楽しんだ後のビールはまことに格別だ。まだまだ帰り道が遠いので、何杯もお代わりしたいのをぐっと我慢する。喉の渇きが収まったところで「とろろそば」を注文する。メニューを見ると、柿の木の酒や、地ビール、焼酎のそば茶割り、焼酎のそば湯割りなどがあり、そば団子をつまみにしながら飲んだらどんなに楽しいだろう。また、同店は会席料理も取り扱っている。

「とろろそば」がやってきた。とろろの器には玉子とそしてなにやら緑色の粒々が入っていた。それは山のキャビアとも言われる”とんぶり”である。かき混ぜてそばの上に載せて食べると、ぷちっとした食感がまことに楽しい。そばは固すぎず、柔らかすぎずと言ったところ。つゆはやや甘めで、私好み。そのつゆだけでも十分美味しいのだが、とろろと一緒に食べると尚美味しい。真冬にこのアツアツのとろろそばを食べたらどんなに美味しいかと想像するだけでまたここに来たくなってしまう。

各テーブルに刻み海苔が置いてあり、自由に使える。そういう店は多くないと思う。しかし、うっかり海苔を載せるのを忘れてしまった。残念。同行者は鴨ねぎ丼を食べる。少しだけでもお味見したかったものの、あまりにも「とろろそば」を食べることに集中しすぎて、それも忘れてしまった。つまりそれだけ美味しかったということだろう。あの雰囲気、そして山登りの後ということもあって、大満足だった。次は「冬そばキャンペーン」のときだろうか。今から次回を楽しみにしているのである。

2009/10/31 Zaki


何杯でもいけてしまう。ビールのために登山をやっているのだと断言しても過言ではない。(笑)
とんぶりの食感が楽しい。
見るからに美味しそうな鴨ネギ丼。


有限会社 橋家
東京都八王子市高尾町2209
電話 :042-661-0010
営業時間 10:00〜18:00
       (L.O.17:30)
http://www.takahasiya.com/


かけそば 650円
山菜そば 800円
とろろそば 900円
鴨ねぎそば 1,150円
天麩羅そば 1,250円
せいろ 650円
冷やし山菜そば 800円
冷やしとろろそば 900円
麦とろ飯 1,150円
鴨ねぎ丼 1,350円
地図は同店のHPより流用させて頂きました。


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また、味などの感想についてはあくまでも旅行者の主観によるものです。




風味豊かな国内産そば粉を八割使い、一つひとつ手で折り上げ、低温乾燥にて丹念につくりあげました。品質第一の茂野の心意気を感じて頂ける逸品だと自負しております。
左は調理例です。めんつゆ付き。
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