茂野「麺紀行」
第39回 沖縄そば専門店「めーばる製麺」(中野区新井薬師前)

ひっそりと佇む新井薬師の境内。
友人(2人)と一緒に中野区の中でも最も下町っぽい雰囲気のある夕暮れの西武線の新井薬師前駅の近辺を散策する。その時点では今回ご紹介する沖縄そばのお店「めーばる製麺」へ行くことはまったく想定していなかったし、もちろん店についての予備知識もまったく無かった。美味しい麺との出会いはある日突然やってくるものなのだ。

まず新井薬師前駅を下車し、新井薬師様(正式名は新井山梅照院薬王寺)まで歩く。薬師様は割合地味でこじんまりとしたお寺。駅名になっているくらいだからもっと大きな本堂や境内を想像していた。近辺は落ち着いた商店街と住宅街。中野通りは交通量が多いが、ひとつ東側に平行している駅前から新井薬師参道までの通りはのんびりした雰囲気。自転車に乗ったおじさんたちが鼻歌まじりで悠然と通りを走っているのが印象的。

適度に喉が渇いていたので、開店直後の焼き鳥屋さんで軽くビールを飲んだ。門前の、いかにも下町風情で、昭和の香りがする外観と店内。応対してくれた女将さんもこれまた割烹着姿でより叙情的な雰囲気を濃くしてくれていた。会話もまた楽しかった。

店を出てから北上し、そのまま駅を通過し、哲学堂公園へ。途中、素敵な沖縄そばの店を見つける。いや、素敵なとは言うものの、その時点ではもちろん外観からしか判断できない。小さな店で、ちょっとお洒落な雰囲気だったので、惹かれたのだ。哲学堂公園は、残念ながら閉園時刻を過ぎてしまい、中には入れない。外周を歩き、再び新井薬師駅へと引き返す。そして先ほど見つけた沖縄そばの店に入った。

開店直後に入った焼き鳥屋さん。いかにも庶民的な店構え。交差点に面している。
砂肝を注文したら「うちは豚なんです。」と言われた。いわゆる焼きトン屋さんなのだ。でも、看板には・・・。(笑)
新青梅街道を挟んで哲学堂公園に隣接する「みずの塔」。正式に名称は野方配水塔。

店に入って驚いたのは、なんと客席が4つしかない。ある程度想像はしていたもののそれ以上に狭い店だった。カウンタの中が当然厨房で、そのスペースも狭い。店員さんが動ける範囲は何故か厨房の半分程度の面積なのだ。何かシートのようなもので覆われたスペースがあり、厨房の半分をそこが占めている。後で分かったのだが、シートの下には製麺機があったのだ。

ざっくりと店のレイアウトを図に描いたのでご参照ください。
(正確ではありません。)

店員さんは笑顔が爽やかな若者だった。とても愛想良く振舞ってくれた。同店の最大の売りでこだわりのオリジナル麺のことや、スープのこと、また、手作りのコーレーグースのことなどを色々説明してくれた。コーレーグースは沖縄料理の店に良く置いてある。唐辛子を泡盛に漬けた非常に辛い調味料で、うっかりかけすぎると大変なことになってしまう。

楽しく会話をしていると、注文した沖縄そばが出てきた。見た目はとても綺麗。手作りっぽい厚めでびつな器(既成品だとは思う)もオーナーのこだわりのひとつ。とてもセンスが良い。ビジュアルは美味しさの大事な要素であることをわきまえている。狭いながらも非常に小奇麗にしている店内にも好感を持つ。

まずは透き通ったスープをひとくち。塩加減はかなり抑え、かつおの出汁が効いた上品な味。しっかりとコクがある。文句なく美味しい。全部飲み干したくなる。前述のコーレーグースをかけるとまた違った風味になるということを店員さんが薦めてくれたので、麺が半分くらいになったときにその通りにした。ぴりっとした辛味が加わるだけで、性格が変わるのが不思議だ。熱い日に食べると、しゃきんとするのではなかろうか。

麺はコシがしっかりしている。うどんにも似て異なるものだ。かんすいの代わりに木灰を使ってつくるらしい。それが本来の沖縄そばの麺の作り方だと言う。また、三枚肉(豚の角煮)も味付けも良く、柔らかくて私好みだった。今回一緒に店に行った二人の友人はかなり味にはうるさい人物だが、大絶賛だった。後味も良かった。こってりラーメンに飽きたら是非この店の沖縄そばをお勧めしたい。

2009/7/31 Zaki



左: 外観。およそドア2枚半の幅で狭い。看板も小さい。
中: 同行の友人たち。私を含めて「食いしん坊トリオ」と名乗っている。(笑)
右: 歪んだ面白さの器に、しゃきっとした沖縄そばが似合う。かまぼこもアクセントになっている。


沖縄そば 「めーばる製麺」
東京都中野区上高田5-47
電話 :不明
営業時間 11:30〜14:30  17:00〜20:00


沖縄そば 580円
あーさそば 690円
ソーキそば 690円
角煮そば 800円
じゅーしー
(沖縄の炊き込みご飯)
200円
沖縄ぜんざい
(夏季限定)
380円

今回お世話になった店員さん。茨城のつくば市出身という。オーナーは沖縄出身とか。



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茂野麺紀行の情報(例えば価格など)は旅行者(記者)が現地を訪れた時点のものです。
また、味などの感想についてはあくまでも旅行者の主観によるものです。


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