茂野「麺紀行」 第37回 山形県大石田町 手打ちそば「なんば」

店の外観。質素な造りだ。この辺りの農家もこのような造りなので目立たない。

天婦羅は、山菜、ゲソ、かぼちゃの3品。
山形県はほぼ全域に渡って蕎麦の産地である。冬は雪深く、夏は暑くといった寒暖の差が激しい、非常に厳しい環境が逆に蕎麦に向いているのである。特に、山形市の北側に位置する村山市、大石田町、尾花沢市は山形蕎麦を代表する地域で、そば屋の名店も多い。それぞれ、村山そば街道(最上川三難所そば街道)、大石田そば街道(大石田そば街道)、尾花沢そば街道(おくのほそ道 尾花沢そば街道)と名店を巡るコースを設けている。
*以下にその関連記事があるのでご参照ください。

http://www.mitinoku.or.jp/tokusan/soba.htm
(JAみちのくのサイト)

5月の終わり、出羽の本場のそばを味わいたくて、ETCの休日割り引きを利用し、現地に急行した。天童から東根、村山市周辺のサクランボはだいぶ赤みを強めている。周辺の山々の新緑も見事。車窓の風景を楽しみながら、いよいよそば街道に近づく。実は、インターネットで、事前に何処に行こうか目星をつけていたのだが、あまりにも選択肢が多くて、迷っていた。しかも、前述の通り、3つの地域のかなりの広範囲にそば店が散在しているのだ。

東根から同行した現地のそば通であるY氏に、数多のそば店の中からのお薦めを聞いて、そして決めたのが大石田の「なんば」(そば店)という店。芭蕉の句のように五月雨を集めて、轟々と流れる最上川の近くの田園風景の中にある店だ。看板は出ているが、田んぼの中を少し奥に入った目立たない場所にある。外観は正面から見ると確かにそば店の体裁だが、付近の民家とあまり差が無く、完全に風景に溶け込んでいてやはり目立たない。中に入ると思ったよりも広い。オール座敷である。若女将さんが愛想よく出迎えてくれた。午後1時半頃なので、割合すいていた。

私は、「箱そば」の天婦羅セットを注文する。「箱そば」は関東での「せいろ」に相当する。ただ、関東の場合は一般的に漆塗りの箱だが、「箱そば」は塗りの無い白木の箱である。そばは玄そばで色は濃い目、そして山形の北東部の特徴である太目である。以前、尾花沢で食べたそばに比べると幾分細いかもしれない。いずれにしても、この辺りのそばを初めて見る人はその太さに驚いてしまうようだ。硬さは普通、コシもどちらかと言えば強いほうではない。おそらくそば粉の分量が多いからだろう。喉越しはいい。

開放された窓の外から聞こえてくる蛙の合唱を楽しみながら、そばを食べ、そば湯を飲み、そしてくつろぐ。ゆったりとしたひと時だ。店を出た後、尾花沢市街を経て、大正ロマンの銀山温泉へと向かう。大石田、尾花沢の周辺は温泉の宝庫でもある。そばと温泉、そして銘酒を楽しむには最高の土地なのだ。また、同店から更に5kimほど西の字年子(じねんご)という山間の地区のそば(人気店だという)はかなり硬めで、辛し大根のつけ汁で食べる個性の強いそばだという。また次回にでも訪問したものだ。

2009/6/1 Zaki
(現地を訪れたのは、2009年5月30日です。)


左:東根市から望む、村山、尾花沢市方面。最上川流域の山々に囲まれた盆地だ。
右:サクランボがだいぶ大きく、そして色づいてきた。村山市郊外にて。


左: なんばの手づくり漬物。左側のアスパラガスの漬物が驚くほど美味である。中華風でピリ辛。
中: 天井は太い梁がむき出しの造り。照明がユニークだ。
右: 尾花沢市郊外から望む出羽三山方面。生憎、月山などの高い山々は霧がかかっていて見えなかった。


左:銀山温泉の近くにぽつんとあったそばの「だんごや」。こちらも名店である。
中:古い木造の旅館が川の両側に建ち並ぶ銀山温泉。全国でも屈指の人気スポット。
右:銀山温泉から徒歩3分で見ることが出来る滝。滝の上流には銀鉱跡があり、中に入ることが出来る。



そば処 「なんば」
山形県北村山郡大石田大字横山711
電話 :0237-35-4282
営業時間 11:00〜15:00(売り切れまで) 火曜定休
15:00以降は予約制


板そば 800円
鳥そば 800円
もともとそば 800円
とろろそば 800円
えび天セット 1150円
ゲソ天セット 1050円
*「もともとそば」・・・・暖かい鳥のつけ汁で食べるそばで、今流のつけ麺(アツモリ風)であるが、近くの来迎寺では元々そのような食べ方をしていたので、「もともとそば」と名づけたという。



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茂野麺紀行の情報(例えば価格など)は旅行者(記者)が現地を訪れた時点のものです。
また、味などの感想についてはあくまでも旅行者の主観によるものです。



風味豊かな国内産そば粉を八割使い、一つひとつ手で折り上げ、低温乾燥にて丹念につくりあげました。品質第一の茂野の心意気を感じて頂ける逸品だと自負しております。
左は調理例です。めんつゆ付き。
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