茂野「麺紀行」 第34回 秦野市 丹沢そば「石庄庵」

夕暮れの国道246号線から富士を眺める。
この近辺からの富士はかなり大きい。

銘酒「越の寒梅」は1合で600円と、まずまずのお値段。半透明の徳利がより雰囲気をを高めている。
神奈川県秦野市は丹沢の表玄関である。街は、北側の丹沢の山々と、南側の渋沢丘陵に挟まれ、ちょっとした盆地のようになっている。小田急線の秦野の駅頭に立つと周囲ぐるりとほぼ山々に囲まれて、山国に来たのだと思ってしまう。しかし、東京からそれ程遠くもないし、小田急1本で新宿まで出られるので交通は便利だと思う。東名高速道路のインターも近い。

今回はその秦野で、すこぶる評判の良いそば処「石庄庵」を訪れた。実は秦野にはもう1軒有名な店がある。白笹うどん「多奈加」だ。そちらはまた後日ご紹介したい。

石庄庵に向かったのはかなり日が傾いた時刻だった。事前にネットから地図を印刷していた。地図を見ると、国道246号沿いで、駅から目測だと1.2キロメートルくらいだった。運動不足の解消にもいいし、見知らぬ街を歩くのは嫌いではないので、バスを使わずに歩いた。元々私はトレッキングが趣味で、色々な山を歩いている。かつてはこの丹沢辺りも良く歩いていた。目的地にはなんなく到着する。

ところが、目的の石庄庵は移転していた。後から聞いたら、既に一昨年の秋のことなので、移転してからもう1年以上経っているのだ。太陽が沈みかけていた頃なので、がっかり感は大きい。このまま帰ろうかと思ったものの、暫し迷った挙句、せっかくここまで来たので、意地でも石庄庵のそばを食べてゆこうと決意した。一旦、246号を東京方面へ約300m歩き、そこでタクシーを拾った。目的地は丹沢表尾根のヤビツ峠のふもと、蓑毛だ。そこに移転した石庄庵がある。

あっと言う間に真っ暗になる。周囲は民家も少ない。運転手さんは確かこの辺りだと言って、クルマを徐行した。迷っているようだ。私は、「どなたかに尋ねてみますよ。」と言ってクルマを降りた。星明りの山の中を歩いてみたかったらだ。時刻は6時少し過ぎ。気温がどんどん下がってくる。2月上旬だから当然である。私は勘を働かせ、元来た道を少し下ることにした。すると、看板を発見。バス通りから入るように案内されている。

舗装はしてあるが曲がりくねった道を歩く。看板の通りに歩いたつもりなのに、2、300m歩くと、再びバス通りに出てしまった。それに、人っ子一人歩いていないので、道を訊きたくてもそれが出来ない。今度は少しヤビツ峠へ向かって歩くと、建設現場によくあるプレハブの簡易事務所のようなものあった。中から蛍光灯の光が周囲を明るく照らしていた。中に5、6人の男性が机に向かって仕事をしている。仕事を中断させて申し訳なかったが、道を尋ねてしまう。入り口付近で仕事をしていた一番若い方が親切にも、わざわざ紙に地図を書いて教えてくれた。

うーむ、どこかで曲がらなくてはならない場所を見落としていたようだ。引き返さなくてはならない。

山葵を摺る作業もある意味そばを美味しく食べる儀式なのかもしれない。

これが十一そば。みずみずさが伝わらなくて、まことに残念
お陰で、やっと店を見つけた。先ほど道を尋ねた地点から1キロメートルくらい歩いたところだ。周囲には一軒も民家が無いひっそりした窪地の斜面にロッジ風の建物がライトアップされていた。時刻は7時前。閉店は8時なので、調理の時間も考えるとぎりぎりだ。

急いで中に入ると、若い店員さんが快く迎えてくれた。店内もまるでペンションのような感じ。木の香りと清潔感が漂っている。たくさんのお酒が並んでいる。私は越後の銘酒、「越の寒梅」を注文した。すっきりした清楚な味わい。苦労して来た甲斐があった。そば(十一せいろ)も併せて注文した。そして、酒をちびりちびりやりながら本山葵を摺る。

メニューには「石庄庵では、この丹沢地域にて自家栽培、契約栽培農家より玄蕎麦を確保し、自店にて石臼挽き製粉の蕎麦粉を作り出し、蕎麦粉十割外一つなぎの手打ち蕎麦に仕上げております。」と書いてある。期待しながら待つこと10分。みずみずしいそばに巡り会えた。細打ちの麺は半分透き通るような色合い。稚拙な写真では表現できずご容赦願いたい。

早速食べてみる。山葵を入れずに食べた。コシも風味も十分だ。しゃきっとた喉越し。申し分ない。つゆはあまり特徴が無いと思ったが、そばの美味しさを十二分に引き出すために主張を抑えているのだと思った。続いて、本山葵を入れて食べる。もちろんぐっと風味がアップする。さすがに評判の高い店。期待を裏切らない絶品のそばだった。


2009/2/10 Zaki
(現地を訪れたのは2月7日です。)




左: 庭にある待合場所には暖を取るための火鉢が置いてある。
中: 同じく外に石臼や自在カギなどが展示されている。
右: 日中、渋沢丘陵から見た丹沢。三角錘の山が大山。その左側の鞍部にヤビツ峠。そのだいたい下の辺りに石庄庵がある。



手打ちそば 「石庄庵」 (いししょうあん)
神奈川県秦野市寺山1580
電話 :0463-82-1222
年中無休 11:30〜20:00
http://www2.ocn.ne.jp/~ishisho/


十一せいろ 850円
玄挽き田舎切り 1,000円
三色せいろ 1,500円
天せいろ 1,850円
丹沢そば懐石 2,600円
弘法そば懐石 3,600円

右の写真は同店HPから転載。



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茂野麺紀行の情報(例えば価格など)は旅行者(記者)が現地を訪れた時点のものです。
また、味などの感想についてはあくまでも旅行者の主観によるものです。


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