茂野「麺紀行」 第30回 そば処「港屋」

ネット等で調べると、開業は2005年辺りだと思う。その頃から界隈では話題になり、そしてメディアでも再三取上げられるなど非常に人気のある店が、今回訪れた愛宕(住所は西新橋)の港屋である。実は著者は恥ずかしながらその存在を知らなかった。茂野社長から、非常にインパクトのある味だからと、教えてもらい、そして行ってみたというわけである。

先ずは外観に驚かされる。愛宕1丁目の交差点の角にその店はある。真っ黒に塗られた建物で、窓も看板も無く、いったいそれが何であるのか、店なのか、店であったとしても飲食店なのか分からないのである。よく見ると、細長い窓があるし、入り口に「そば処」と書いた小さな行燈型の看板はあった。だが、やはりよく分からない。知らなければそのまま通り過ぎてしまう。

店内も真っ黒である。お洒落なカウンターバーのような造りである。まさかそこが立ち食いそば屋であることが分かっていても信じられない。若い男女のスタッフがカウンターに面した厨房の中で手際よく注問を受け、そして並んだ客に次々に仕上がったそばを渡す。客は、大きなほぼ正方形のテーブルを囲んで食べるのであるが、テーブルの大きさに比べて客の居場所は非常に狭い。

筆者が訪れたのはランチ時を避けて、午後3時頃だったので、それほど並ばずに食べられた。ランチ時は、長蛇の列に加え、その狭さから想像するに身動きが出来ない程ではないだろうか。それでもそれだけ人気があるのは、今までに見たことも、もちろん食べたこともない常識を覆すその味にある。そして一度食べたら、すぐにまた食べたくなってしまうのである。

私が注文した「温かい鳥そば」(850円)は、上の写真のように"つけ麺"ならぬ"つけそば"なのであるが、見た目も、味もそれは和風ではない。決め手はラー油。濃厚なつゆの上にいかにも辛そうにラー油が漂っている。そのたっぷり入ったラー油と白胡麻が見事に日本そばの食べ方の常識を覆している。更に、生卵がついている。最初はピリ辛のつけ汁で食べ、途中で生卵を入れ、少しマイルドになった味を楽しむという食べ方が正解らしい。確かに卵を入れると雰囲気が全然違ってくる。

麺にも強烈な個性がある。茂野社長に事前にお聞きしていたので衝撃的とは言わないにしろ、まるで冷麺のあのコシのように硬く、そして太いのだ。麺にもたっぷりの白胡麻がかかっている。その上には山のように刻み海苔が載せてある。海苔もつけ汁との相性が良い。ピリ辛のつけ汁と、コシのある日本そばのマッチングに驚くばかりだ。量が多いのも嬉しい。この味とこの量。たっぷり入ったラー油のせいか、本当に病みつきになってしまいそうである。

後で知ったことには、この店の味を模倣したと思われる店が都内にはいくつかあるらしい。頷けることではある。しかし、港屋が正真正銘の先駆者であり、味も一番だということなので、是非一度食べてみることをお薦めしたい。

2008/9/22 Zaki



左: 交差点の対角線上から見た港屋。看板も無いので地味であるが、しかし、異様だ。
中: 入り口にちいさく「MINATOYA」という文字。これしか店名を表示しているものはない。
右: テーブルの中央には花が活けてあった。



左: 愛宕通りを挟んで店のほぼ正面には、愛宕山への車道がある。
中: 愛宕山の山頂にあるNHK放送博物館。
   今は周囲に高層ビルが建ち、山頂という雰囲気は無くなった。
右: 愛宕神社の急な階段。この階段を静かに昇れば、都会にいることを忘れてしまう。




[ 追記 ]

私が訪問したその数日後にM社のOさんが現地に行き「冷たい肉そば」を食べ、ついでに写真を撮ってこられたので併せて掲載する。Oさんの感想は、単純に「美味しかった。」そうだ。茂野社長もこちらの「肉そば」がお薦めだとおっしゃっていた。

この「肉そば」の特徴としては、私が食べた「鳥そば」と違って、麺の上に大盛りの肉とネギ、海苔が載る。従って麺がまったく見えない。つけ汁はご覧の通り表面にラー油がたっぷり浮いていて、いかにも辛そうである。確かにこのビジュアルも相当インパクトがある。次に行ったときには是非食べてみたい一品だ。

(2008/9/27)


撮影はM社のOさん


そば処「港屋」
東京都港区西新橋3-1-10
TEL 03-5777-6921

営業時間 : 11:30〜17:00  / 17:30〜20:00
定休日 :  土曜・日曜・祝日


もり 600円
冷たい肉そば 850円
温かい鳥そば 850円

詳しい地図で見る


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