茂野「麺紀行」 第29回 佐野ラーメン「とかの」





上: 東武特急「りょうもう」。館林駅にて。
帰りはこれに乗った。
中: 佐野線と同型の車輌。
これは小泉線。
下: 佐野厄除け大師の脇を流れる秋山川。水量豊かである。
そういえば佐野ラーメンの美味しさは水の美味しさから来ているということを聞いたことがある。



「とかの」の外観。ご覧のように派手さはない。店の前に椅子が2、3脚並べてあるが、混み出すと列はこちらから見て右側にずっと長くなる。
一杯600円のラーメンを食べに、時間をかけ、お金をかけて遠出するのは贅沢というもの。今回の麺紀行は喜多方ラーメンと人気を二分するとも言われている佐野ラーメンを食べに北上した。佐野は東京からそれほど遠くはないが、ローカル線を乗り継いでゆっくり行くとそれなりの旅行気分が味わえる。

私は、東武伊勢崎線で館林駅まで行き、そこから2輌編成の東武佐野線で佐野駅まで行った。なるべく早く行きたい場合には浅草から東武特急の「りょうもう」に乗れば約1時間近くで館林まで行ける。都内からJR利用ならば、宇都宮線の小山で両毛線に乗り換え、JR佐野駅で下車。クルマだと、東北自動車道の佐野藤岡インターチェンジで降りる。市内には佐野厄除け大師もあるし、少し足を延ばせば足利にも近いので、観光を絡めて行くのも良いだろう。

佐野は関東平野と足尾山地の前衛の低山が接する場所。南側はどこまでも続く関東平野の穀倉地帯だが、北側には山になっている。この日は9月の半ばだというのに、30度くらいの気温になる。しかし、佐野市内を葛生方面から流れる秋山川が運んでくる冷風のせいだろうか、明らかに都心よりは心地よい。周辺は収穫済みの田圃と、これから収穫する黄金色の稲穂の田圃が市松模様になっていて、その彩りが美しい。

佐野ラーメンを食べに行くに当たって、インターネットなどを使って予備知識を仕入れた。先ず、佐野ラーメンの特徴。全国津々浦々までご当地ラーメンがあって、今やなにがなんだか分からなくなってきているが、佐野ラーメンには明確なコンセプトがある。それは「青竹手打ち」という独特の麺にある。それから、透き通るくらいの薄い醤油のスープだそうだ。人気店も調べた。佐野市内には200店ものラーメン店があるそうで、その中でもとりわけ人気の高そうな「とかの」を選んだ。

「とかの」は市の中心にある小さな木造の店。どちらかといえば目立たない店構えなのだが、午前11時半の開店から行列が出来、そして午後2時頃には売り切れ閉店ということらしい。いくら美味しくても私は並んでまでというのは主義に合わないので、店の前に行き、時間がかかるようだったら、違う店に行くつもりだった。午後1時少し前。本来はピークの時刻なのに、行列は無い。難なく店の中に入ることが出来た。客席は15〜6人が座れるくらいか。外観と違わず狭い。私は最後に空いている席に座った。私が入ってから、ちょうど外に行列が出来たようだ。非常にラッキーだった。

私はラーメンの普通盛(600円)を注文した。大盛は150円増し。チャーシュー麺は900円だ。事前の下調べだとチャーシュー麺が絶品だということだったが、私はイチゲンの店に行くと、極力、普通のラーメンを注文するようにしている。調理場では5人のスタッフが忙しそうに動き回っている。店の大きさの割りにはスタッフが多いのがアンバランスだ。おそらく回転数を最大にしているのだと思う。

私の注文したラーメンはそれほど待たずに運ばれてきた。スープをすすってみる。本当に透き通っている。味もあっさりしている。まるで塩ラーメンのようだ。驚いたのはアツアツであること。以前、喜多方ラーメンの「大湊味平」という店に行ったときも感心したのだが、アツアツも味のうちなのだ。そして、青竹手打ちの麺。下調べした通りに、やや平べったく縮れていて、そして、ぷりぷりしていた。コシはあまり無い。

あっと言う間に食べ終わる。私の感想は、それほど癖の無い味。まったく奇をてらったところもなく、ごく普通という印象。ただインパクトは無いものの、間違いなく旨い。チャーシューも柔らかくて美味しい。後味もすっきりである。女性にはお薦めだ。逆に、こってり系が好きな人には物足りないかもしれない。人気店の驕りもなく接客も爽やか。ホール担当は明るく笑顔の美しい女性だった。思わず嬉しくなってしまった。

「とかの」を出て、まだ時間もあったので、木造の古い建物が至る処にある情緒たっぷりの佐野の街並みをゆっくり歩き、佐野厄除け大師(惣宗寺)まで行ってみた。佐野生まれの偉人、田中正造翁の墓もある。寺の裏手(西側)には清涼な流れの秋山川がある。流れを見ながら土手沿いに北上してから右折し、再び佐野駅を目指した。駅の北側には佐野城跡の公園があるので、更に時間が許せば寄ってみるのも一興だと思う。

2008/9/17 Zaki



左: 市内の至るところに木造の古いお店がある。落着いた街並み。
中: 佐野厄除け大師の本堂。屋根のあちらこちらが金色に光輝いている。
右: 突き当たりはJR両毛線の佐野駅。東武佐野線の佐野駅も併設されている。その向こうには佐野城址。


佐野ラーメン「とかの」
(青竹手打ちラーメンの店)
栃木県佐野市相生町2831
    (JR佐野駅・東武佐野駅より徒歩8分)
TEL 0283-24-7038

11:30〜無くなり次第閉店(14時頃)
定休日:月・木曜日

ラーメン 600円
チャーシュー麺 900円
餃子 400円


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