茂野麺紀行 File No.009
そばごちそう 「門前」
(調布市深大寺)

茂野「麺紀行」 第9回 「門前」 東京都調布市・深大寺

そばの美味しさは、雰囲気というのも大事な要因だと思う。それはそばだけに限らない。風景の良いところで食べたほうがより美味しいし、上品なお店で食べたほうがより美味しい。そばの場合は上品さに加えて風流さも大事だ。その意味から言えば、深大寺の雰囲気はまさにそばを食べるためにあるのだ。

1月9日。まだ初詣の雰囲気が残る深大寺にやってきた。山門のまさに門前にある「門前」というそば処。お土産を売るおじさんの声も高らか。店内には注文をとるおばちゃんの声が行き来して非常に活気がある。そう、そばを美味しく食べるのはこの活気もあったほうがよい。

後でわかったことで、同店のパンフレットには「そば処」というサブタイトルではなく、「そばごちそう」という言葉を使っている。「そばごちそう」は同店のメニューのひとつ。3500円(税別)のミニそば懐石といったところか。

そばで有名な深大寺にはたくさんのおそば屋さんがあり、どのお店も個性的。筆者は二十代から三十代の前半にかけて深大寺の雰囲気が好きでよく訪れてはそばを食べる渋い若者(?)だった。殆どと言っていいくらい深大寺のどのお店にも行っている。時には贅沢をして、「水神苑」の鯉の洗いをツマミに旨い日本酒を飲んだこともある。最近はとんとご無沙汰で、よく考えてみれば十数年ぶりの深大寺だった。

たぶん筆者がよく来ていた二十代の頃は、わかっているフリをしていて、実は本当のそばの味がわかっていなかったような気がする。しゃきっとしていて、ほのかな蕎麦の香りと甘みをきちんと感じていたかどうか怪しい。あれほど深大寺のそばを食べに行ったのに、いくら考えてもそばの味の記憶は殆ど皆無に等しい。駅の立ち食いそばの味だったらすぐに思い浮かべるのに。だから今日は改めてその深大寺そばの味をしっかりと記憶に焼き付けたい。

まずは、深大寺に参拝する。ちょうど山門の屋根の藁を葺き変えたばかりのようで、綺麗な藁の色だった。本堂も最近お色直ししたようだ。どういうわけか参道や境内には平日にも関わらず人が多い。若者もいる。スケッチをしている人もいる。さすがに有名な観光地だけはある。根強いそば人気も後押ししているのであろう。そのお陰もあって、こうして茂野製麺の「麺紀行」が続いているわけだ。

写真右:正面の藁葺き屋根が深大寺の山門。手前右が「門前」の売店の部分。

軽く参拝を済ませて、前述のそばごちそう「門前」の店内に濃い橙色の暖簾をくぐって入る。一斉に「いらっしゃいませ!」という声が響く。大きな声の挨拶は気持ちがいい。活気のある証拠だ。みやげ物屋の奥の、屋根はあるがオープンになっている外のテーブル席と、更にその奥に屋内のテーブル席、そして座敷と、席はたくさんあって、かなり広い。団体さんでもOKである。それほど寒くなかったので、寺を眺めながら外の席で食べるのもよかったが、冷たいそばを食べようと思ったので、暖かい奥(屋内)の席についた。店内の混み具合は7割くらい。午後1時半くらいなので、やはりお客さんは多い。

休日で混みあっているときだったら隣に楽焼屋があるので時間を潰してからということもできる。

メニューを見ると「粗挽きそば」(840円)がトップに掲載されていて、いかにも美味しそうな写真なので、注文したら、おばちゃんが「すみません。今日は終わっちゃったんですよ。」と言うので、ざるそば(735円)を注文する。残念。大盛りは100円増し。注文してから店内を眺めたり写真を撮ったりした。さすがに少し混んでいるせいか、約20分くらい待たされた。でも、不思議に全然待った気がしない。雰囲気がそうさせるのか。慌しく働いているおばちゃんとは対象的にお客さんはどっかりと腰を落ち着けて、ゆっくりとお茶を飲んだりしながら談笑している。


左: 売店の奥の席。ストーブは置いてあるが、ここは外気が入ってくるので、ひんやりしている。しかし、雰囲気は最高。深大寺の境内も眺められる。
右: 筆者の席に運ばれてきた「ざるそば」。シンプルで美味しそう。

筆者のテーブルにそばが運ばれてきた。まずは写真を撮る。色艶は申し分ない。色はやや白っぽく薄いので、更科系か。瑞々しい感じだ。一口すすってみる。香りもいい。そして、適度な歯ごたえと、しっかりとコシのある食感を楽しむ。つゆは見た目よりはそれほど辛口はない。たぶんかつおの出汁が効いている。美味しい。ネームバリューに負けない美味しさだ。あっと言う間に食べてしまった。そば湯も頂く。

大食漢ゆえ、ちょっと物足りなさもあったが、実は門前の売店で売っている焼きたての煎餅やら蒸したて饅頭などをつまみ食いする楽しみも残して、店外に出た。「門前」の斜め前には何故か鬼太郎茶屋なる店があって、「げげげの鬼太郎」に登場するキャラクターグッズや、鬼太郎に因んだ食べ物を売っていた。時間にゆとりがあれば、隣接する神代植物園にも寄りたいところ。その組み合わせだったらまるまる一日遊べる。


 


そばごちそう「門前」
http://jindaiji.co.jp/
10:00〜17:00  月曜定休
17時以降は要予約

0424-87-1815
東京都調布市
深大寺元町5-13-5

京王線つつじヶ丘駅からバスが便利です。駐車場(有料)もアリ。

天ぷらそば 1,470円
天ざるそば 1,470円
なめこそば  995円
とろろそば   995円


2007/1/25 Zaki


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